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文献詳細

雑誌文献

Neurological Surgery 脳神経外科1巻3号

1973年09月発行

文献概要

研究

サル脳腫瘍の実験的研究

著者: 西田和男1 熊西敏郎2 生田房弘2 植木幸明1

所属機関: 1新潟大学脳研究所脳神経外科 2新潟大学脳研究所神経病理

ページ範囲:P.209 - P.217

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 ヒト脳腫瘍の研究のモデルとして,実験的に動物の脳に腫瘍を形成する試みは化学発癌剤7,16,19,45),ウイルス11,36,43)などを用いて数多く行なわれてきている.しかし脳腫瘍形成の報告の大部分は,小動物に限られており,大動物特に成熟動物を用いた脳腫瘍の研究は少ない.できるだけヒトに近い成熟哺乳大動物に実験的脳腫瘍の形成が可能となれば,ヒト脳腫瘍の病理学的,生化学的そして臨床的研究のモデルとしての価値があり,それが成熟期動物でも可能であれば新生児動物にくらべて入手取扱いがきわめて容易な点から,実用的意義も加わるものと考えられる.
 以上の理由から我々はその宿主スペクトルムの広いことで知られるRous Sarcoma Virus37)のSchmidt-Ruppin株(SR-RSV)を用いて成熟サルの脳腫瘍の研究をつづけてきたが,その一部はすでに報告した25,29).本稿では,SR-RSVにより形成されたサル脳腫瘍の病理学的,生化学的,免疫学的特徴や臨床的検索手技の有用性などを報告するとともに従来行なわれてきたサル脳腫瘍研究について文献的考察を試みた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1251

印刷版ISSN:0301-2603

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