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文献詳細

雑誌文献

Neurological Surgery 脳神経外科1巻3号

1973年09月発行

文献概要

研究

Pallido-subthalamic fiberの機能

著者: 坪川孝志1 森安信雄1

所属機関: 1日本大学脳神経外科 2

ページ範囲:P.225 - P.233

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 Ⅰ.緒言1920年代に,Jakob12),Martin15),Von Santha29),Matzdorff16),などによる臨床病理的検索結果より,Subthalamic nucleus(Luys)の障害によりhemiballismが発生することが明らかにされ,以来この核と線維結合を有する基底核との関係が検討されてきた.1929年にはPalnarら18)はSubthalamic nucleusが運動時の筋緊張を維持し,淡蒼球は安静時の筋緊張を維持していると報告し,不随意運動の発症に際しての両者の関係が注目されてきた.
 Subthalamic nucleusより淡蒼球への線維は淡蒼球の内側部に終わり(Whittierら32), Carpenterら3,5,6)),一方淡蒼球よりSubthalamic nucleusにいたる線維は,Ransonら19)の研究により,淡蒼球外側部を起始核としていることが明らかとなった.最近にいたりNautaらJohnsonら13), Carpenterら6)は淡蒼球外側部より出た線維がSubthalamic nucleusにいたる経路はansa lenticularisやlenticular fasciculusなどと,走行を別にしていることも明らかにした.ところが,錐体外路系の主要経路ともいえるこのPallido-Subthalamic fiberの機能は明確でなく,多くの問題を残している.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1251

印刷版ISSN:0301-2603

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