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文献詳細

雑誌文献

Neurological Surgery 脳神経外科1巻4号

1973年10月発行

文献概要

研究

中脳中心灰白質近傍網様体における細胞単一発射の研究—末梢刺激に対する網様体の反応と大脳皮質によるモデュレーション

著者: 天野惠市1 佐野圭司1

所属機関: 1東京大学脳神経外科

ページ範囲:P.319 - P.327

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 痛みを含めてnoxiousな感覚入力を伝えるC及びAδ線維の脳幹網様体における神経生理学的研究に関しては1950年代から1960年代にわたるCollins8,9)らの業績をその嚆矢とし,痛覚を伝える主体は少くとも延髄より上位では,古典的な外側脊髄視床路ではなく,脳幹網様体の中に存在することを示してこの方面でのその後の研究に決定的な影響を及ぼしたことは周知の通りである.
 我々はこのC及びAδ線維の集積点の一つである中脳中心灰白質近傍網様体18)における細胞単一発射を観察した.大脳皮質の選択的局所冷却を用いることにより,大脳皮質体性感覚領がネコの中脳網様体(Midbrain Reticular Formation,以下MRFと略す)に対し皮質遠心性制禦を有することが示され1),末梢感覚入力からの上行性及び大脳皮質からの下行性経路において各々の交叉性,非交叉性に関し特異なパタンが存在する.本稿ではネコの上丘の高さでの中脳中心灰白質近傍網様体にタングステン微小電極を刺入して記録した細胞単一発射の自然発火活動と誘発発射の観察を報告する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1251

印刷版ISSN:0301-2603

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