研究
微小血管吻合(Microvascular anastomosis)の実際
著者:
米川泰弘1
Yaşargil2
半田肇1
所属機関:
1京都大学脳神経外科
2
ページ範囲:P.345 - P.351
文献購入ページに移動
近年Microsurgeryが発達し,脳神経外科領域でも広く応用され,脳動脈瘤,脳・脊髄動静脈奇形,脳腫瘍,脊髄腫瘍の手術に新しい時代を迎えたのは周知のとおりである.Microsurgeryがとくに必要とされる分野に,微小血管(とくに直径1mm前後)のanastomosisがある.これは脳神経外科医が是非とも身につけておかねばならぬtechniqueの一つである.これにより浅側頭動脈—中大脳動脈皮質枝吻合(Yasargil1)),脳表主動脈のthromboembolectomyおよび脳動脈瘤あるいは外傷,腫瘍手術の際の不時の血管損傷の克服が可能となる.またこのtechniqueを神経縫合にも応用することができる.吻合手術後の成績を向上させるについては,練習につぐ練習がぜひとも必要である.この論文の目的は,著者が得た経験の中からmicrovascular anastomosisの種々のtechniqueの眼目を紹介し,さらにそれに伴う問題点を明らかにすることである.