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研究
小脳出血のX線診断—13症例の分析
著者: 山口昻一1 伊藤善太郎2 上村和夫1 小嶋俊一1 深沢仁3
所属機関: 1秋田県立脳血管研究所放射線科 2秋田県立脳血管研究所脳神経外科 3秋田県立脳血管研究所病理科
ページ範囲:P.403 - P.412
文献購入ページに移動小脳出血は高血圧性脳出血全体の約10%を占める2,4,5,20,21,24).小脳出血は臨床症状から診断を確定することが困難とされ3,5,21-23),この点で脳血管撮影や脳脊髄腔撮影などX線診断の果たすべき役割が重要といえる.小脳出血の症例分析を報告するものの中にはX線診断の問題を取りあげてあっても,X線診断を主題にしたものはみられない.取りあげられているX線診断の内容では,椎骨動脈撮影よりむしろ脳脊髄腔造影の診断的価値を強調する傾向が認められる20,21).
近年,後頭蓋窩の動,静脈のX線解剖に関する知見が多く発表され6-15,17,19,25,27-29,31),従来,気脳,脳室撮影が必要と考えられていた後頭蓋窩の病変も椎骨動脈撮影で診断を確定することが可能となって来ている.こうした診断法の変遷がある現状をふまえて,小脳出血におけるX線診断の意義や問題点を,私共が最近までに経験した症例を対象に検討してみた.
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