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手術手技
聴神経腫瘍の手術
著者: 北村勝俊1
所属機関: 1九州大学脳神経病研究施設外科
ページ範囲:P.461 - P.467
文献購入ページに移動StewartとHolmes(1904)の報告の中にSirVictor Horselyにより手術された4例の小脳外線維腫があり,2例は術後好結果を得たとのことである2).Cushingの第1例は1906年に行なわれたが不成功に終り,第2例は生存し,最初の10例では死亡率40%と報告している.Cushingは死亡率減少の努力と工夫を重ね,最終的には50例中2例(4%)の手術死亡に止まった2).Cushingは必ずしも完全摘除を目指さなかったが,Dandyは安全性の上に根治を目指し,被膜を含む全摘術82例の死亡率7.3%を得るに至った2).しかしながらDandy1)は全摘のためには顔面神経の犠牲はむしろ当然のこととし,術後の顔面神経・副神経吻合術を強調している.腫瘍全摘時の顔面神経保存に努力したOlivecrona6)は,全摘282例中111例(39.4%)に顔面神経の機能回復を得ている.
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