icon fsr

文献詳細

雑誌文献

Neurological Surgery 脳神経外科1巻6号

1973年12月発行

文献概要

手術手技

聴神経腫瘍の手術

著者: 北村勝俊1

所属機関: 1九州大学脳神経病研究施設外科

ページ範囲:P.461 - P.467

文献購入ページに移動
 聴神経鞘腫は全頭蓋内腫瘍の10%近くを占め,被膜を有する良性腫瘍であるので,手術的療法により全治させることができる.それだけに脳神経外科医にとってもっとも重要な疾患の一つである.
 StewartとHolmes(1904)の報告の中にSirVictor Horselyにより手術された4例の小脳外線維腫があり,2例は術後好結果を得たとのことである2).Cushingの第1例は1906年に行なわれたが不成功に終り,第2例は生存し,最初の10例では死亡率40%と報告している.Cushingは死亡率減少の努力と工夫を重ね,最終的には50例中2例(4%)の手術死亡に止まった2).Cushingは必ずしも完全摘除を目指さなかったが,Dandyは安全性の上に根治を目指し,被膜を含む全摘術82例の死亡率7.3%を得るに至った2).しかしながらDandy1)は全摘のためには顔面神経の犠牲はむしろ当然のこととし,術後の顔面神経・副神経吻合術を強調している.腫瘍全摘時の顔面神経保存に努力したOlivecrona6)は,全摘282例中111例(39.4%)に顔面神経の機能回復を得ている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1251

印刷版ISSN:0301-2603

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら