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研究
脳原発性悪性リンパ腫—全身性リンパ肉腫との比較検討
著者: 中西功夫1 河野寛一2 久保田紀彦2 土屋良武3 北村徳治1 増田信二1 森泉哲次1
所属機関: 1金沢大学病理学教室 2金沢大学脳神経外科学教室 3福井県済生会病院脳神経外科
ページ範囲:P.35 - P.42
文献購入ページに移動脳原発性悪性リンパ腫は脳腫瘍の約1.5%を占め23),正中線上の旁脳室領域に好発3,16),比較的放射線感受性が高い腫瘍7,19)である.腫瘍の母細胞についてはリンパ網内系細胞由来であることが確認されてはいるが24),リンパ球系の細胞であるのか,または組織球—単球系由来の細胞であるのかについては議論がある.最近われわれは脳の悪性リンパ腫5例を経験したので,これらの症例を提示し,脳転移を起こした全身性リンパ肉腫の剖検例の所見と比較検討し,組織学的および電顕的観察に基づいてこれらの腫瘍細胞の特徴について若干の考察を加えて報告する.
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