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文献詳細

雑誌文献

Neurological Surgery 脳神経外科10巻1号

1982年01月発行

文献概要

症例

広範な頭皮欠損に対するSkin plasty

著者: 岩肇13 京井喜久男1 内海庄三郎1 今西正己1 外賀昭1 玉井進2 龍見良隆2 清水豊信2

所属機関: 1奈良県立医科大学脳神経外科 2奈良県立医科大学整形外科 3町立大淀病院脳神経外科

ページ範囲:P.65 - P.71

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I.はじめに
 手術後大きな頭皮欠損を残すことがあらかじめ予想されるために,皮切法や手術のアプローチに制約が加わり,やむなく不満足な結果に終ってしまうことは脳神経外科領域でもときに経験する.例えば,頭皮や頭蓋骨に発生した悪性腫瘍を手術する場合,放射線治療後に再発した頭蓋内腫瘍を手術する際に術後の循環障害による大きな頭皮欠損を残すことが想定される場合などである.しかし,最近数年間の形成外科の技術的進歩は著しく,脳外科手術にもその技術が応用され,治療面での成果が挙げられつつある.
 従来より頭皮の修復にはTable1に示すような方法が主として用いられているようである.このうち皮膚管法やjump flapを用いた遠隔からの有茎皮弁移植は,患者に長期間特殊な体位を持続維持させねばならないし,手術も数回にわたり行う必要があるという短所があり,脳手術患者には適切な方法とはいえない.これを補う方法として.小さな頭皮欠損には人工皮膚として使用されているPVF(Polyvinyl formal)spongeをまず貼布し,肉芽が形成されたのちに遊離植皮がなされたり,また一期的に直接頭皮欠損部への遊離植皮が行われている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1251

印刷版ISSN:0301-2603

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