文献詳細
総説
文献概要
I.はじめに
破裂脳動脈瘤の手術時期の問題については,従来,破裂発作後1週間あるいは2週間は手術を待機しなければならないとするのが一般の常識であり,確かに慢性期の手術成績は次第に向上してはきていた8,13,38).しかし,1週間あるいは2週間の待機期間中,いかに絶対安静を命じ,血圧をコントロールし,AMCAを与えても,再破裂を来たすものがあり,また脳血管攣縮によって重篤な後遺症を残し,または死亡する例をかなりの頻度で経験していたことも実状であった.われわれは,これらの待機中の犠牲者をできるだけ少なくさせるためには,初回破裂発作後,できるだけ速やかに再破裂を防ぐ手術を行い,また後日に発現するであろう脳血管攣縮を予防することが理論的にも良策と考えて,種々検討工夫を行い24-26,41),次第にその手術成績の向上もみられているので,本論文においては,超早期手術の発想の由来から,手術適応の問題,手術時期の問題,術中術後の諸問題について述べ,御批判を得たいと考える.
破裂脳動脈瘤の手術時期の問題については,従来,破裂発作後1週間あるいは2週間は手術を待機しなければならないとするのが一般の常識であり,確かに慢性期の手術成績は次第に向上してはきていた8,13,38).しかし,1週間あるいは2週間の待機期間中,いかに絶対安静を命じ,血圧をコントロールし,AMCAを与えても,再破裂を来たすものがあり,また脳血管攣縮によって重篤な後遺症を残し,または死亡する例をかなりの頻度で経験していたことも実状であった.われわれは,これらの待機中の犠牲者をできるだけ少なくさせるためには,初回破裂発作後,できるだけ速やかに再破裂を防ぐ手術を行い,また後日に発現するであろう脳血管攣縮を予防することが理論的にも良策と考えて,種々検討工夫を行い24-26,41),次第にその手術成績の向上もみられているので,本論文においては,超早期手術の発想の由来から,手術適応の問題,手術時期の問題,術中術後の諸問題について述べ,御批判を得たいと考える.
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