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研究
頭蓋頸椎移行部奇形の診断—特にCTの診断的価値について
著者: 宮坂和男1 井須豊彦1 阿部悟1 竹井秀敏1 阿部弘2 都留美都雄2 伊藤輝史3 北岡憲一4
所属機関: 1北海道大学放射線科 2北海道大学脳神経外科 3室蘭日鋼記念病院脳神経外科 4美唄労災病院脳神経外科
ページ範囲:P.1165 - P.1172
文献購入ページに移動頭蓋頸椎移行部奇形は,頸部痛,顔面非対称,斜頸など比較的軽微な症状から,四肢麻痺,呼吸障害に至るまで多彩な神経症状を呈する23).したがってしばしば脱髄変性疾患,腫瘍などと誤って診断されることがある9,19,24).
一方computed tomography(以下CTと略す)が脳神経疾患のscreeningから補助検査に至るまで広く利用されるようになってきており,頭蓋頸椎移行部奇形の鑑別診断法としても,あるいはすでにその存在が確認された場合の補助検査法としても,CTが利用される機会が少なくない6).しかしながら特定の症例報告3,7,11,18)を除いて,総合的に同部奇形におけるCTの有用性に言及した報告は少ない4,15-17).CTスキャナーの解像力は最近とみに改善してきており,本報告では頭蓋頸稚移行部奇形におけるCTの診断的価値について検討する.
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