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症例
巨大血栓化脳動静脈奇形の1症例
著者: 大原茂幹1 梅村訓1 若林繁夫1 高木卓爾1 永井肇1
所属機関: 1名古屋市立大学脳神経外科
ページ範囲:P.1233 - P.1237
文献購入ページに移動脳動静脈奇形(AVM)の一部が,血栓によって閉塞することのあることは,Norlén, Rubinstein, Noran, Raskinその他の手術所見,病理所見により古くから知られ,このような症例では脳血管撮影上,AVMが造影されないで,avascular massとしてとらえられる場合のあることも知られている2,5-7,11,17).しかし,このような脳AVMがmass effectを呈することは,AVMからのmassive hemorrhageを来たした時以外には極めて稀である.著者らはそのほとんどが血栓化,器質化した巨大なAVMで,massive hemorrhageを伴わず,またdural AVMで見られるような髄液還流不全など15)を示さないで,AVMそのものが頭蓋内占拠性病変として働き,脳室の圧排変形とmidline structureの偏位を来たした症例を経験したので報告する.
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