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研究
もやもや病の局所脳血流量—特に脳底部異常血管網部の位置づけについて
著者: 中川翼1 木野本均1 馬渕正二1 都留美都雄1 伊藤和夫2 竹井秀敏2 宮坂和男2 西谷幹雄3 徳田禎久3 佐藤正治4
所属機関: 1北海道大学脳神経外科 2北海道大学放射線科 3中村記念病院脳神経外科 4小樽市立第2病院脳神経外科
ページ範囲:P.1263 - P.1271
文献購入ページに移動もやもや病は本邦において特異的に報告が多く,その本態の解明,治療法の確立が望まれている.治療面については,近年外科的血行再建術により良好な治療成績が報告されてきたことは,本症に苦しむ患者にとり1つの大きな光明といえよう2,4,7).本症の治療法の開発,工夫とともに,本症の病態についての検討も,患者に負担にならない範囲内で継続して行わなければならない.
著者らは,133Xe内頸動脈動注後,ガンマーカメラにて頭皮上より脳血流を測定しているが,血流分析上,信頼でき用いうるmatrixを44-87個にも増加させることにより,脳底部異常血管網部に相当するmatrixの血流について非常に興味ある知見が得られたので報告し,諸家の御批判を受けたいと思う5,6).
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