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文献詳細

雑誌文献

Neurological Surgery 脳神経外科10巻12号

1982年12月発行

文献概要

研究

脳腫瘍患者の血中免疫複合体(Immune complexes)の出現とその臨床的意義

著者: 須田金弥1 大塚信一1 武内重二1 山下純宏1 織田祥史1 半田肇1

所属機関: 1京都大学脳神経外科

ページ範囲:P.1283 - P.1288

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I.はじめに
 近年,血清中の免疫複合体(immune complexes,以下ICと略す)の測定法の開発により,種々の疾患に血中ICが検出されている.特に全身性エリテマトーデスなどの自己免疫病の病因にICが重要な役割を果すことは広く知られるようになった5,7,24).一方,白血病をはじめ悪性腫瘍患者の血清中にも高頻度にICが検出され,血中ICの定量は悪性腫瘍患者の予後の判定や治療効果のモニタリングに有用であると報告されている6,18,20,21).脳腫瘍患者の血中ICの検出が,ヒト補体の第1成分のsubcomponentを利用したClq結合試験により行われ,血中ICの陽性率は脳腫瘍の組織学的悪性度と相関し,予後の判定に有意義であることが報告された12).しかし脳腫瘍や他の悪性腫瘍患者に出現する血中ICの臨床的意義については不明の点が多い.
 また,血中ICは悪性腫瘍に対する宿主の免疫応答を抑制する因子であるとする報告もあり1,2,16),多彩な生物活性を有するので22),多種類の生物学的検出法を組み合わせ,血中ICの病態に果す役割を解析する必要がある.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1251

印刷版ISSN:0301-2603

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