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症例
モヤモヤ様血管網を伴った特発性中大脳動脈閉塞症—第2報 1剖検例の検討
著者: 府川修1 相原坦道1 若狭治毅2
所属機関: 1磐城共立病院脳神経外科 2福島県立医科大学第1病理
ページ範囲:P.1303 - P.1310
文献購入ページに移動中大脳動脈が閉塞し,かつその周囲にモヤモヤ様血管網の認められる症例について,われわれはその臨床像と脳血管写所見をすでに報告したが1),そのなかで,本症例群は脳血管モヤモヤ病の診断基準には合致せず,これと区別して整理しなおす必要性についても述べた.
今回報告する症例は,第1報で述べた10症例のなかの症例3であるが,当科退院後,農薬自殺を図り,剖検の機会を得た.そこで問題となる中大脳動脈およびモヤモヤ様血管網を中心として脳血管の病理組織学的所見を述べ,本症例では中大脳動脈の血管壁の発育異常がその基盤にあり,かつモヤモヤ様血管網が側副血行路として発達したものと考え,若干の考察を加えて報告する.
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