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症例
多発性神経膠腫の2例
著者: 北原正和1 和田徳男2 佐藤智彦23
所属機関: 1東北大学脳研脳神経外科 2国立仙台病院脳神経外科 3現籍: 大分市医師会立アルメイダ病院
ページ範囲:P.1313 - P.1317
文献購入ページに移動脳腫瘍の診断はCT scanの善及により,この数年一段の進歩がみられているが,多発性腫瘍性病巣を認めた場合,安易に転移性脳腫瘍と診断され治療されている例が少なくない3-5,11,14).今回われわれは国立仙台病院において,CT scanで多発性病巣を認めたため,原発巣不明のまま転移性脳腫瘍と診断し治療したが,剖検脳の病理学的検索で多発性神経膠腫と診断された2例を経験した.わが国では多発性神経膠腫の報告は比較的稀であるが,本稿では自験例2例を中心に,臨床所見,治療,病理組織学的所見などにつき,若干の検討を加え報告する.
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