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症例
脳動脈瘤破裂に起因した硝子体出血—Terson症候群
著者: 佐藤透1 山本祐司1 浅利正二1 樺沢みさと2
所属機関: 1松山市民病院脳神経外科 2松山市民病院眼科
ページ範囲:P.1319 - P.1324
文献購入ページに移動くも膜下出血に伴う眼底出血のうち,硝子体出血については,1900年Terson13)により初めて報告され,比較的稀なoculocerebral syndrome14)とされてきた(Ter-son症候群).しかしながら硝子体出血は,網膜・網膜前出血に比べ重篤な恒久的視力障害を残すことがあるため,破裂脳動脈瘤における機能予後を考える上で重要な問題となってくる.
最近われわれは,左内頸動脈・眼動脈分岐部動脈瘤の破裂によるくも膜下出血に伴い,その対側の右眼に硝子体出血を来たした1例を経験した.この症例を呈示し,本症の発生機序,治療上の問題点および予後などにつき若干の考察を加え報告する.
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