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症例
Prolactin産生下垂体Microadenomaの男性例
著者: 寺本明1 高倉公朋1 佐野圭司1 福島孝徳2 石橋みゆき3 山路徹3
所属機関: 1東京大学脳神経外科 2三井記念病院脳神経外科 3東京大学第3内科
ページ範囲:P.185 - P.190
文献購入ページに移動近年,下垂体前葉ホルモンのradioimmunoassayの確立は,下垂体腺腫の臨床に飛躍的な発展をもたらした.なかでもprolaction(以下PRLと略す)定量の意義は大きく,functioning Pituitary microadenomaという臨床概念が導入され,今日の関心事の1つとなっている18,21).
PRL産生microadenomaは,女性の場合,典型的には無月経・乳汁分泌症候群を来たすことがよく知られ,通常,続発性無月経または不妊を主訴として婦人科を初診することが多い.一方,男性のPRL産生腺腫は,一般に視力・視野異常を伴ったIarge adenomaであり,症候的にはnon-functioning adenomaと区別できず,血中PRLの測定によってはじめて診断される6).理論的には,男性例においても陰萎,性欲低下,不妊を契機としてmicroadenomaが発見されるはずであるが,女性の場合ほど受診動機が明瞭でないためか,PRL産生microadenema男性例の報告は極めて少ない2,15,17).
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