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文献詳細

雑誌文献

Neurological Surgery 脳神経外科10巻3号

1982年03月発行

文献概要

研究

Moyamoya病の原因に関する研究—第1報 脳血管変化に対する免疫学的機序と交感神経の関与

著者: 笠井直人1 藤原悟1 児玉南海雄1 米満勤1 鈴木二郎1

所属機関: 1東北大学脳研脳神経外科

ページ範囲:P.251 - P.261

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I.緒言
 Moyamoya病31)における初期変化は,両側内頸動脈終末部付近(carotid fork)を中心とする狭窄性変化であり,その狭窄の緩徐な進行に伴って脳底部にMoyamoya血管が出現してくる.この脳底部のMoyamoya血管については,これまで種々論議12,15,15,29)があったが,現在では狭窄性変化に伴って発達した脳底部穿通動脈を母体とする側副血行路10,11,19,28,31-34)であると考えられている.しかし,本疾患のinitial causeであるcarotid forkを中心とした狭窄性変化の原因については,いまだその解決の糸口さえもつかめていない.
 本疾患におけるcarotid forkを中心とする脳主幹動脈の病理所見1,6,30)は,内膜の細胞性もしくは線維性肥厚,内弾性板の屈曲蛇行,断裂,重層化そして中膜の菲薄化がその主たるものであり,これらの所見は多発性動脈炎16,39)や川崎病2,37)などの免疫反応由来と思われる血管炎の陳旧性病変の病理所見と類似している.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1251

印刷版ISSN:0301-2603

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