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症例
脊髄硬膜外Hemangiolipomaの1例
著者: 花北順哉12 小山素麿1
所属機関: 1大津市民病院脳神経外科 2原籍:京都大学脳神経外科
ページ範囲:P.313 - P.316
文献購入ページに移動全脊髄腫瘍のなかで脂肪腫は約1%から4.2%の頻度で認められるが4,15),その大部分は潜在性脊椎披裂などの閉鎖障害(dysraphic condition)を伴っており,これらの先天奇形を伴わない成人の脊髄脂肪腫は稀である.組織学的に脂肪細胞の成分以外に,豊富な血管成分を含むものはhemangiolipomaと呼ばれる11).これは胸椎レベルの硬膜外に好発し,脊髄圧追症状の自然増悪,寛解を繰返すという特異な病像を呈することが多いことで知られているが2),今まで文献上16例の報告をみるのみである.今回われわれは,約1年2ヵ月の経過で徐々に進行してきた42歳男の胸椎硬膜外hemangiolipomaの1例を経験したので,これを報告し,併せて脊髄脂肪腫,ことにhemangiolipomaについて文献的考察を加えた.
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