Neurological Surgery 脳神経外科10巻3号

1982年03月発行

症例

髄膜腫の頭蓋外転移—2例報告と文献的考察

著者： 木野本均¹ 岩崎喜信¹ 中川翼¹ 伊藤輝史¹ 田代邦雄¹ 阿部弘¹ 都留美都雄¹ 樋口政法² 金田清志²

所属機関： ¹北海道大学脳神経外科 ²北海道大学整形外科

ページ範囲：P.319 - P.326

I．はじめに
　頭蓋内脳腫瘍が頭蓋外に転移する事実は，比較的稀ではあるがよく知られている^7,14,24）．しかし，その大部分はgliomaである^7,24）．
　髄膜腫は良性の脳腫瘍といわれているが，12-21％は再発を来たす^6,22）．しかし頭蓋内髄膜腫が頭蓋外に転移することは極めて稀であり，その頻度は0.1％といわれ^2），著者らの知りえた範囲では文献上69例を数えるにすぎない^{1,2,5,7-11,15-17,20,21,23,25,26）}．