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文献詳細

雑誌文献

Neurological Surgery 脳神経外科10巻4号

1982年04月発行

文献概要

解剖を中心とした脳神経手術手技

頸静脈孔付近の腫瘍

著者: 白馬明1

所属機関: 1大阪市大学脳神経外科

ページ範囲:P.359 - P.367

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I.頸静脈孔の解剖
 頭蓋底よりみると,頸静脈孔(jugular foramen)は側頭骨の頸静)脈窩(jugular fossa)と後頭骨との間に形成される不正形の裂孔で,その前方には骨稜により頸動脈管孔と分けられている.また内側には薄い骨板により舌下神経管と分けられている(Fig.1).頭蓋内よりみると,頸静脈孔(jugular forarnen)は錐体後頭裂(petro-occipital fis-sure)の後端にあり,前方から下方へ,そして外側へ向かって頭蓋外に開く.その上縁は鋭く,不規則で舌咽神経の通過する部位に切れ込み(notch for theglossopharyngeal nerve)がある.下縁は平滑で整っている.頸静脈孔の内縁からその下縁は頸静脈結節(jugular tubercle)といわれ,後頭骨の外側部の骨より形成されている.頸静脈孔のやや後下方には舌下神経管(hypoglossal canal)があり,その内の開孔部は,後頭骨の頭蓋底部(basilar portion)と外側部(lateral portion)との境目を貫通している(Fig.2).頸静脈孔の前部を下錐体静脈洞が通り,中間部を第IX,X,XI脳神経,後部を内頸静脈が通過する.内頸静脈の上球(superior bulb)がよく発達している場合には,側頭骨の頸静脈窩もそれに伴って大きく上-外方に突出している11)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1251

印刷版ISSN:0301-2603

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