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お年寄りの患者さん
著者: 神野哲夫1
所属機関: 1名古屋保健衛生大学・脳神経外科
ページ範囲:P.461 - P.462
文献購入ページに移動「おばあちゃん,どこが悪いの?」と聞くと,「うんや,最近は調子いいよ」と答える.(それじゃ,何をしに病院に来たの?)と心の中で思いながらも,「先生の顔をみると,何となく安心する」などと言われると,俺もモテるかなあ,などと思い,心の中ではついニヤついてしまう.「今朝,何時に来たの?」「朝4時に起きて,病院には6時に着いたよ」「寒かっただらあ(名古屋弁)」「うんや」などと会話しているうちに,おばあちゃんは,さっさと診察台の上に乗り胸を開く.聴心器を当てろという意味である.心臓のほうは大丈夫だよと思いながらも聴心器を当ててきく.脳卒中後遺症で通っているのだから,そう心臓が悪いわけでもない。俺はいったい何をしているのだろうなどと心の中でまた思う.これでも大学病院の脳外科の教授か?
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