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症例
33年間の経過で死亡した"モヤモヤ"病の1剖検例
著者: 花北順哉14 近藤明悳1 小山素麿2 石川純一郎1 挾間章忠3
所属機関: 1福井赤十字病院脳神経外科 2大津市民病院脳神経外科 3滋賀医科大学病理学第2講座 4京都大学脳神経外科
ページ範囲:P.531 - P.539
文献購入ページに移動現在までに本邦では文献上約36例の"モヤモヤ"病の剖検例が報告されている.その閉塞脳血管の病理所見はほぼ同一のものである.これの病因は不明であり,1つの疾患単位であるのか,症候群であるのかについても議論されており,現在のところ脳血管撮影で脳底動脈の両側性の閉塞を来たし,その付近に異常血管網がみられるもののうち,腫瘍,炎症などのはっきりした基礎疾患を有しないものが,いわゆるモヤモヤ病に属するとされている6,20).
今回われわれは,6歳の時に脳虚血発作を呈し,その後著変なく過していたが,38歳の時,脳出血発作を起こし,3日後に死亡した"モヤモヤ"病の1症例について剖検を含めて詳細に検討する機会を得たのでここに報告し,あわせて現在までに本邦で報告された"モヤモヤ"病の剖検例を文献的に考察してみた.
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