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症例
CT cisternographyにて興味ある所見を呈した外傷性脳内気脳症の1例
著者: 山本祐司1 佐藤透1 桜井勝1 浅利正二1
所属機関: 1松山市民病院脳神経外科
ページ範囲:P.563 - P.569
文献購入ページに移動外傷性気脳症は頭部外傷の0.5-1.5%に発生するといわれ,比較的稀な疾患である6).気体の存在部位により,硬膜外,硬膜下,くも膜下,脳内,脳内脳室内の5型に分類されるが,脳神経外科的に問題となるのは,これらに合併する髄液鼻漏と髄膜炎予防に対する処置であろう.
一方,髄液循環動態からみた気脳症の病態についての報告は少なく,ことに合併する髄液鼻漏との関係については興味がもたれるところである13,14).最近われわれは繰返す髄液鼻漏を合併した脳内気脳症を手術的に治療したが,この例の臨床経過および術前術後のCT cisterno-graphyを検討することにより,興味ある知見を得たので,若干の文献的考察を加えて報告する.
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