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文献詳細

雑誌文献

Neurological Surgery 脳神経外科10巻6号

1982年06月発行

文献概要

研究

ラット脳腫瘍に対するPicibanil脳内局所投与の及ぼす効果—組織学的変化について

著者: 徳力康彦1 武内重二1 半田肇1 織田祥史2

所属機関: 1京都大学脳神経外科 2高知医科大学脳神経外科

ページ範囲:P.607 - P.616

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I.はじめに
 脳腫瘍を組織学的にみると,他の臓器の腫瘍に比べ網内系細胞反応に乏しいが,今までに報告されたヒト脳腫瘍の解析では,Schifferら16)(1974)の200例のgliomaで50%にリンパ球の浸潤がみられたという報告を最高に,いくつかの報告がみられる14).DiLorenzoら(1977)2)によれば,網内系細胞反応の程度はglioblastomaの予後と相関関係がみられる可能性を示唆している.最近,Morants(1979)8)は,腫瘍内macrophageの存在に注目し,EAC rosette formation assayを用いて,47例の脳内腫瘍のほとんどすべてにmacrophageの存在を認めているが,やはりmacrophageの浸潤の程度の強いものほど予後は良好という推定をしている.
 そこで,治療という面より考えると,人為的に網内系細胞反応を増強させることにより,腫瘍増殖の抑制が可能と思われる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1251

印刷版ISSN:0301-2603

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