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研究
虚血性脳血管障害に対する人工血液(Fluosol DA−20®)の治療効果
著者: 織田祥史1 村田高穂1 内田泰史1 森惟明1 長沢史朗2 鳴尾好人2 安里令人2 半田肇2
所属機関: 1高知医科大学脳神経外科 2京都大学脳神経外科
ページ範囲:P.637 - P.644
文献購入ページに移動1966年Clarkがfluorocarbonの一種であるperfluo-robutyl tetrahydrofurane(FC−75)の液中呼吸でマウスを生存させることに成功して以来,perfluorochemicals(PFC)の高い気体溶解性を利用しての人工血液としての応用が企図されてきた.その物理的,化学的基礎および諸臓器への影響は,すでに十余年にわたってGeyer1),Sloviter17),大柳ら14)によって研究されてきたが,その効果と副作用および生物学的半減期などの問題から,現在ではFC−43(perfluorotributylamine)とFlusol-DA(Table 1)が臨床応用の中心として研究されている.
われわれもすでにイヌ6,11)およびサル7)を用いてFluo-sol-DAによる脳への影響を検討し報告してきたが,その両者において脳血流量の有意な増加が認められた.特に後者においては,水素電極法によりFluosol-DA 20%を8ml/kg点滴静注すると,脳血流量は6-24%(Fluo-crit平均1.3%)増加し,脱血交換法で20ml/kg投与すると,5-94%(Fluocrit平均4.6%)増加することが確認された7).
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