icon fsr

文献詳細

雑誌文献

Neurological Surgery 脳神経外科10巻6号

1982年06月発行

文献概要

症例

腫瘍出血を伴った小児の嚢胞性髄膜腫の1例—症例報告および文献的考察

著者: 井上優13 酒井淳1 福嶋政昭1 三宅仁志1 安永暁生1 川野正七1 徳安清昭2 宮崎久彌3 松村豪一3

所属機関: 1北九州市立八幡病院脳神経外科 2北九州市立八幡病院病理 3長崎大学脳神経外科

ページ範囲:P.661 - P.664

文献購入ページに移動
I.はじめに
 髄膜腫は通常,充実性の腫瘍であり,一般に徐々に発育し臨床的に慢性的経過をとる脳腫瘍である.髄膜腫は,成人例ではその頭蓋内腫瘍の13-18%を占めるが,15歳以下の小児では,Matson8)によれば小児頭蓋内腫瘍750例中3例(0.4%)に過ぎない.また,肉眼的に大きな嚢胞を伴った髄膜腫は.Cushing&Eisenhardt3)や佐藤12)らの報告によれば,頭蓋内髄膜腫の1.2%から2.2%を占めるに過ぎない.
 最近われわれは,大きな嚢胞を伴い,しかも嚢胞内に出血を来たして急性発症し,手術によって全治せしめえた小児例を経験したので,本症例を報告するとともに,髄膜腫の嚢胞形成ならびに腫瘍出血の発生機序について考察を加える.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1251

印刷版ISSN:0301-2603

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?