文献詳細
文献概要
解剖を中心とした脳神経手術手技
脊髄血管腫の手術手技
著者: 斉藤勇1
所属機関: 1富士脳障害研究所附属病院脳神経外科
ページ範囲:P.697 - P.701
文献購入ページに移動I.はじめに
脊髄の血管腫(angioma)は稀な疾患ではないが,頻度の高い疾患でもない.1969年3月に第1例目のhe-mangioblastomaの全摘出手術を行って以来,1980年までにわれわれが経験した脊髄血管腫は,動静脈奇形(AVM)20例,静脈奇形(venous angioma)1例,telangiectasia 3例,hemangioblastoma 3例などである9).また治療法としても,初期には脳外科領域にmi-crosurgeryが導人された時期とも相まって積極的に全摘出を試みたが,最近ではAVMに関しては,いわゆるartificial embolizationによるfeeding arteryの閉塞術も治療効果が少なくないものとして広く普及してきている5).
ここでは脊髄の血管系の解剖を基礎に,血管腫のなかからAVMとhemangioblastomaを取り上げて,その手術手技について述べることにしたい.
脊髄の血管腫(angioma)は稀な疾患ではないが,頻度の高い疾患でもない.1969年3月に第1例目のhe-mangioblastomaの全摘出手術を行って以来,1980年までにわれわれが経験した脊髄血管腫は,動静脈奇形(AVM)20例,静脈奇形(venous angioma)1例,telangiectasia 3例,hemangioblastoma 3例などである9).また治療法としても,初期には脳外科領域にmi-crosurgeryが導人された時期とも相まって積極的に全摘出を試みたが,最近ではAVMに関しては,いわゆるartificial embolizationによるfeeding arteryの閉塞術も治療効果が少なくないものとして広く普及してきている5).
ここでは脊髄の血管系の解剖を基礎に,血管腫のなかからAVMとhemangioblastomaを取り上げて,その手術手技について述べることにしたい.
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