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文献詳細

雑誌文献

Neurological Surgery 脳神経外科10巻7号

1982年07月発行

文献概要

症例

受傷対側に発生した外傷性中硬膜動静脈瘻の自然治癒例

著者: 佐藤透1 桜井勝1 山本祐司1 浅利正二1

所属機関: 1松山市民病院脳神経外科

ページ範囲:P.739 - P.745

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I.はじめに
 外傷性中硬膜動静脈瘻は,1951年Fincher4)が最初に報告して以来,比較的稀な頭部外傷合併症とされてきたが,近年の脳血管撮影の普及により,現在では文献上50例を越える報告がなされている.
 最近われわれは,頭部打撲後,頭痛,嘔気,嘔吐を訴え搬入され,CTにて限局性くも膜下血腫を認め,脳血管撮影にて受傷側の対側に中硬膜動静脈瘻を発見し,経過観察中,約1ヵ月後に自然治癒を確認した症例を経験した.さらに本症例では,脳血管撮影で特異な流入流出経路を呈し,また自然治癒後のそれで瘻形成部位が示唆されるなど,種々なる点でこれまでの報制列に比し興味ある症例と思われた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1251

印刷版ISSN:0301-2603

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