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症例
頸椎黄靱帯石灰化と後縦靱帯骨化症の合併例
著者: 藤原正昭1 尾藤昭二1 長谷川洋1 中田宗朝13 畑博明2
所属機関: 1大阪厚生年金病院脳神経外科 2大阪厚生年金病院薬剤部 3琉球大学脳神経外科
ページ範囲:P.769 - P.774
文献購入ページに移動頸椎後縦靱帯骨化症は1960年,月本25)が剖検例を報告して以来,本邦において2,000を超す報告例をみている.一方,1929年Polgár20)が腰椎黄靱帯骨化症をはじめて報告したが,頸椎の黄靱帯骨化あるいは石灰化は稀である.著者の調べた限りでは現在までに3例5,11,16)をみるのみであり,そのうち2例は球状の石灰化を呈した11,16).われわれは頸椎黄靱帯の球状石灰化と後縦靭帯骨化症との合併例を経験し,椎弓切除により神経症状を著しく改善させることができた.本症例は前記2疾患の合併例としては最初の報告であり,CTスキャンにてこれを明らかにとらえた.本症例を報告し,CTスキャンの本疾患に対する診断的意義につき考察した.
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