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研究
皮質動脈断裂による硬膜下血腫—軽微な頭部外傷による急性,亜急性硬膜下血腫の発生機序について
著者: 長谷川洋1 尾藤昭二1 藤原正昭1 中田宗朝1 奥謙2 小澤英二3 種子田護3
所属機関: 1大阪厚生年金病院脳神経外科 2関西労災病院脳神経外科 3阪和病院脳神経外科
ページ範囲:P.839 - P.846
文献購入ページに移動硬膜下血腫は急性と慢性とに大別しうるが,両者はその発生および臨床像において全く異なる疾患である.すなわち急性硬膜下血腫は重症頭部外傷によく見られ,脳挫傷に伴う皮質血管の断裂や脳内出血の進展により血腫が形成されることが多い1),一方,慢性硬膜下血腫は軽度の外傷を契機として慢性的に発生し,内容が流動性であり,被膜を有している.その出血源に関してはいまだに議論の尽きない所であるが,最近では血腫被膜より出血が起こるとする説が多い14,17).
最近われわれは血腫形成の原因が単一の皮質動脈の断裂によるものと思われた症例を5例経験した.それらは前記の典型的な急性,慢性硬膜下血腫と,その発生や病態が異なっていた.症例を報告し,この種の硬膜下血腫の臨床的特徴および発生機序について考察を加える.
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