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文献詳細

雑誌文献

Neurological Surgery 脳神経外科10巻9号

1982年09月発行

文献概要

解剖を中心とした脳神経手術手技

経皮的ガッセル神経節凝固術

著者: 堀智勝1

所属機関: 1烏取大学付属脳幹研脳神経外科

ページ範囲:P.923 - P.930

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I.はじめに
 三叉神経痛の治療に関しては,microvascular decom-pression(MVDと略す)法が最もすぐれた治療法として脚光を浴びている1,11,14).しかし経皮的ガッセル神経節凝固術15,16,18)(Percutaneous Gasserian Ganglion Ther-mocoagulation, PRGCと略す)は高齢者や全麻施行不能例,癌などの浸潤による顔面痛例などに対しては依然としてすぐれた方法である.特に最近高周波凝固にかえてグリセロール注入により,86%の症例に効果があり,顔面の感覚障害をほとんど残さないというすぐれた治療成績が報告され6),経皮的ガッセル神経節刺入法,およびガッセル神経節附近の解剖学的知識は脳外科医にとり,ますます重要な事項となってきたと思われる.今後電気凝固術にかわってグリセロール注入法が主要な治療法となる可能性もあるが,筆者は現在までに施行しえた77例の顔面痛に対するPRGC(1例はグリセロール注入)の治療経験10)から,ガッセル神経節凝固術手技と神経節附近の解剖学的事項について自験例を中心に解説する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1251

印刷版ISSN:0301-2603

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