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研究
悪性脳腫瘍に対する抗癌剤治療の問題点—Agranulocytosisに起因する難治性感染症に対する顆粒球輸血
著者: 穀内隆1 桑村圭一1 山田正2
所属機関: 1国立療養所香川小児病院脳神経外科 2国立療養所香川小児病院血液腫瘍科
ページ範囲:P.933 - P.938
文献購入ページに移動近年,悪性脳腫瘍に対して種々の抗癌剤を使用した多剤併用による寛解導入療法が積極的に行われるようになってきた5).ところが,大多数の抗癌剤は多様な副作用を有しており,なかでも骨髄抑制というdose depend-entな副作用は最も重篤であり21),かつagranulocytosisに伴って重症感染症を引き起こし,いわゆる"chemo-therapy death"に陥る症例が多くなってきている.このような病態に対する治療法としては,従来より大最抗生物質投与,さらに可能ならば無菌室隔離などが行われているが,実際は感染症を有するagranulocytosisの患者に対しては無効例が多い.
そこで白血病治療の分野では,最近agranulocytosisに伴う重症感染症に対して積極的な補助療法として顆粒球輸血の重要性が指摘されている2,8,16).
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