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症例
脳室穿刺後の遅発性脳卒中の1例
著者: 藤岡正導1 松角康彦1 賀来素之1 矢野辰志1 吉岡進1
所属機関: 1熊本大学脳神経外科
ページ範囲:P.955 - P.958
文献購入ページに移動脳室ドレナージ,脳室シャント術など,脳室穿刺を要する術式は脳神経外科臨床における日常処置として広く行われ,また穿刺に起因する脳病変についても早くから指摘のあるところである.しかしながら,合併症として穿刺直後の出血を除く亜急性出血の報告は少なく,特に遅発性急性出血の報告は稀であり,わずかに重症頭部外傷例に脳室トランスデューサーを設置し出血を来たした例4,8,12)をみるのみである.今同われわれは聴神経腫瘍摘除術を施行するにあたり,頭蓋内圧コントロールの目的にて術中脳室ドレナージを行った症例に,術後14日目,脳室穿刺部位を出血源とする急性脳内出血を来たし,出血は硬膜下のみならずburr-holeを通して皮下にまで及んだ興味ある症例を経験したので,若干の文献的考察を加え報告する.
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