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文献概要
症例
家族性に発生したNarrow spinal canal
著者: 五十嵐正至1 小山素麿1 霜坂辰一1 内堀幹夫1
所属機関: 1大津市民病院・脳神経外科
ページ範囲:P.961 - P.966
文献購入ページに移動Kirkaldy-Willisら1)の国際分類によれば,lumbar ca-nal stenosisの病因として,congenital/developmentalstenosisおよびacquired stenosisに大きく二分される.lumbar canal stenosisが家族性に発生したとする報告は,英語圏の論文を探した限りではVerbiest5),Varu-ghese4)の2例を数えるにすぎない.われわれは最近同胞6名のうち3名をlumbar canal stenosisと診断し手術を行ったが,そのうち2名は急性対麻痺に対する緊急手術であった.しかも残る3名のうち1名の女性は頸椎管狭窄を有することが判明した.他の2名の男性は,それぞれ腰痛および上肢痛を有していることから脊椎疾患が強く疑われた.さらに特異な点は手術例の全3名に頸椎のnarrowingをも証明できたことである.このような家族発生例はspinal canal stenosisのpathogenesisに遺伝的影響の存在を示唆する稀な症例と考えられたので文献例と対比しつつ報告する.
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