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文献概要
症例
高プロラクチン血症を呈した蝶形骨洞粘液嚢腫の1例
著者: 蟹江規雄1 坂野達雄1 渋谷正人1
所属機関: 1市立四日市病院脳神経外科 2名古屋大学脳神経外科
ページ範囲:P.969 - P.974
文献購入ページに移動後部副鼻腔は解剖学的に眼窩およびトルコ鞍に接しているために,この部に発生する粘液嚢腫はそれらの骨破壊と同時に,いわゆる"orbital apex syndrome"を呈し,トルコ鞍あるいはその近傍部の腫瘍,ことに下垂体腺腫を疑わせることがある.しかし内分泌学的異常を呈することは極めて稀といわれている13).最近われわれは鞍上部伸展を伴い,内分泌学的に下垂体機能障害,高プロラクチン血症を呈し,下垂体腺腫との鑑別が難しかった蝶形骨洞粘液嚢腫の1例を経験したので,文献的考察を加えて報告する.
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