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症例
椎骨脳底動脈狭窄症に対する頸部頸動脈内膜切除術
著者: 平松謙一郎1 大西英之1 二階堂雄次1 塚本政志2 内海庄三郎2
所属機関: 1国立大阪南病院脳神経外科 2奈良県立医科大学脳神経外科
ページ範囲:P.997 - P.1003
文献購入ページに移動今日の脳神経外科のなかでも,虚血性脳血管障害に対する外科的治療は最も急速に進歩を遂げている分野のひとつである.しかし椎骨脳底動脈系に関しては,頸動脈領域に比し,その病因,病態,臨床像,治療法など,かなりの研究の遅れは認めざるを得ない.この部に対する直達手術としては,OA-PICA anastomosis8,9),VA-PICAanastolnosis2),STA-SCA anastomosis3),vertebralendarterectomy1)などがあるが,いずれも適応範囲は狭く,臨床上も好適応となる症例に遭遇する機会は少ない.頸部頸動脈狭窄症が併存する場合,これに内膜切除術を行うことで間接的な効果を期待する方法があるが,その効果,およびそれに伴うriskについては,いまだ十分な検討はなされていない.今回われわれは,椎骨脳底動脈高度狭窄症に対し頸部頸動脈内膜切除術を安全に施行することができ,また椎骨脳底動脈狭窄症に起因する症状も改善されたので,文献的考察を加え報告する.
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