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研究
プロラクチン産生下垂体腺腫に対する術後Bromocriptine療法の効果
著者: 佐藤修1 丹羽潤1 井上慶俊1 赤川清介2 小林計理3
所属機関: 1札幌医科大学脳神経外科 2帯広協会病院脳神経外科 3王子総合病院脳神経外科
ページ範囲:P.51 - P.60
文献購入ページに移動プロラクチン(PRL)産生下垂体腺腫にみられる高PRL血症に対する手術療法の効果は,腺腫の大きさ,術前の血清PRL値に左右される.すなわち,腺腫の直径が10mm以上のmacroadenomaの症例,術前の血清PRL値が200ng/ml以上の症例では,腺腫剔出術後の血清PRL値の正常化はほとんど期待できない34).麦角アルカロイド誘導体bromocriptineが種々の原因による高PRL血症の症候改善に有効であるとの報告は多く,またPRL産生下垂体腺腫の大きさの縮小など,その抗腫瘍効果も報告されてきた.そこでわれわれは,PRL産生下垂体腺腫で術後血清PRL値が正常化しない例にbromocriptineを投与し,血清PRL値の低下,乳汁漏出の消失,排卵再来に及ぼす効果を検討し,またbromocriptineの抗腫瘍効果をCT scanの上から検討したので,その結果を報告する.
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