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症例
外傷性急性小脳内血腫—特にCT follow-upの有用性について
著者: 佐藤透1 山本祐司1 浅利正二1
所属機関: 1松山市民病院脳神経外科
ページ範囲:P.101 - P.106
文献購入ページに移動最近のCT scanの普及によって,外傷性後頭蓋窩血腫の診断は比較的容易となり,その報告例も増加してきているが,後頭蓋窩硬膜外および硬膜下血腫に比べ,小脳内血腫についての報告は稀である.ことに急性期例においては,後頭蓋窩特有の巣症状に乏しく,急速に脳幹圧迫症状を来たし重篤な転帰をとるため,その診断および治療に関して多くの問題が残されている.
今回われわれは,CT scanにより診断し,手術にて救命しえた外傷性急性小脳内血腫の1例を経験した.そこで自験例を呈示し,われわれが集めえた12例1,2,5,10-13,16)の既報告例に自験例を加えた13例についてまとめ,特に早期診断,病態把握および予後判定におけるCT follow-upの有用性について考察を加えて報告する.
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