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研究
海綿静脈洞内内頸動脈瘤または巨大内頸動脈瘤に対する内頸動脈結紮術およびバイパス術の併用(同時手術)
著者: 江口恒良1 真柳佳昭1 高倉公朋2
所属機関: 1東京警察病院脳神経外科 2東京大学脳神経外科 3現籍 亀田総合病院脳神経外科
ページ範囲:P.1037 - P.1046
文献購入ページに移動海綿静脈洞内内頸動脈瘤あるいは巨大内頸動脈瘤には直達手術の困難な症例が多い.これらの脳動脈瘤に対し頸動脈結紮術がこれまで一般的に行われてきたが7,20),そこには常に脳虚血症状出現の不安がある9,11,14,15,23,24,30).
Nishiokaの脳動脈瘤に対する頸部頸動脈閉塞術に関するco-operative studyによれば,内頸動脈結紮例の59%に,また総頸動脈結紮例の32%に術後脳虚血症状が出現したという22).このような術後合併症を防ぐ目的で,われわれは直達手術が困難な症例に対し内頸動脈結紮(ICA ligation)と頭蓋外-頭蓋内バイパス(EC/IC bypass)をone-stageで施行し,良好な結果を得た2-4).手技ならびに留意点を論じ,その成績を報告する.
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