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研究
小児の脳腫瘍—予後とそれに影響する諸因子 <第2報>Astrocytomaの局在性と予後
著者: 大井静雄1
所属機関: 1国立香川小児病院脳神経外科 2
ページ範囲:P.1049 - P.1057
文献購入ページに移動I.緒言
小児の脳腫瘍の50.3-91%はglioma系の腫瘍である1,8,12,27,42,51).未分化の腫瘍も多く,悪性度もさまざまである.また腫瘍の局在性も多様であり,同一の組織学的所見を持ちながら,その臨床像は完全に異なる場合も稀でない.このような特徴を持つ小児の脳腫瘍を治療してゆくうえで,どの因子がその予後を左右するかということを充分理解する必要がある.これらの患者はまた発育途上にある小児であるという点から,腫瘍の疫学的見地のなかでも特に各年齢層とその腫瘍の特徴は重要で,その局在性,悪性度そして手術による死亡率や放射線療法,steroid-chemotherapyの合併症など,今後さらに検討されるべき問題がある.
われわれはこれらの観点より500例以上に及ぶ小児の中枢神経系腫瘍を対象にその転帰を調査し,おのおのの腫瘍別あるいは各年齢層,さらに各治療法などに細分してその関係を分析し,その予後に最も影響を及ぼす因子は何であるか,またそれに対応する処置を如何に施すべきかを検討した.
小児の脳腫瘍の50.3-91%はglioma系の腫瘍である1,8,12,27,42,51).未分化の腫瘍も多く,悪性度もさまざまである.また腫瘍の局在性も多様であり,同一の組織学的所見を持ちながら,その臨床像は完全に異なる場合も稀でない.このような特徴を持つ小児の脳腫瘍を治療してゆくうえで,どの因子がその予後を左右するかということを充分理解する必要がある.これらの患者はまた発育途上にある小児であるという点から,腫瘍の疫学的見地のなかでも特に各年齢層とその腫瘍の特徴は重要で,その局在性,悪性度そして手術による死亡率や放射線療法,steroid-chemotherapyの合併症など,今後さらに検討されるべき問題がある.
われわれはこれらの観点より500例以上に及ぶ小児の中枢神経系腫瘍を対象にその転帰を調査し,おのおのの腫瘍別あるいは各年齢層,さらに各治療法などに細分してその関係を分析し,その予後に最も影響を及ぼす因子は何であるか,またそれに対応する処置を如何に施すべきかを検討した.
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