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研究
Contrast-enhanced CT scanによる脳挫傷性出血の発生ならびに増大の予測について
著者: 横山和弘1 京井喜久男1 榊寿右1 衣川一彦1 森本哲也1 星田徹1 竹村潔1 今西正己1 内海庄三郎1
所属機関: 1奈良県立医科大学脳神経外科
ページ範囲:P.1069 - P.1074
文献購入ページに移動頭部外傷超急性期のCT検査でそれほどの所見がなくても,後日いわゆる脳挫傷性出血をきたし重篤な経過をとったり,緊急手術が要求されたりすることがしばしば経験される.これらの出血巣の発生あるいは受傷超急性期に認められた脳挫傷性出血が増大するか否かを受傷早期に予測することは困難である.したがって,臨床経過の注意深い観察とともに反復CTによる継時的観察の重要性が強調されてきた6,17).もし受傷早期に脳挫傷性出血の発生ならびに増大が予測できれば,治療成績の向上に大きく貢献しうると考えられる.
われわれは,これらの出血巣の発生あるいは増大は,挫傷を基盤とした血管透過性の異常亢進の時期を経過して出現してくるものと考え,この時期を受傷早期のenhanced CTによりとらえうるのではないかと推察した.
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