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文献詳細

雑誌文献

Neurological Surgery 脳神経外科11巻10号

1983年10月発行

文献概要

症例

多発性髄膜腫

著者: 京井喜久男1 横山和弘1 星田徹1 竹村潔1 谷掛龍夫1 内海庄三郎1 原田哲雄2 寺田秀興2 青山信房2

所属機関: 1奈良県立医科大学脳神経外科 2県立奈良病院脳神経外科

ページ範囲:P.1099 - P.1105

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I.はじめに
 髄膜腫は全頭蓋内腫瘍の12-18%を占め,通常は孤立性,単発性に発生するが,多発性のことは少ない.多発性髄膜腫の発生頻度は,諸家の報告によれば髄膜腫の1-2%にみられ,その頻度は少なく,小腫瘍として多発する場合には,各種検査法の限界もあり,術前にすべての腫瘍が総括的にとらえられることは困難とされている1,2,8).しかし,頭蓋内病変の診断にCTスキャンが導入され,enhanced CTが広く行われるようになってからは,従来検出できなかったような小腫瘍の存在の確認や多発性であるとの診断は容易となり,多発性髄膜腫の報告例も漸次増加してくるものと思われる.
 われわれは現在までにvon Recklinghausen病あるいは聴神経鞘腫に合併していない多発性髄膜腫の2症例を経験しており,その症例を提示し,文献的考察を加えて報告する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1251

印刷版ISSN:0301-2603

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