icon fsr

文献詳細

雑誌文献

Neurological Surgery 脳神経外科11巻12号

1983年12月発行

文献概要

総説

電気刺激による除痛術—脊髄の刺激

著者: 谷川達也1

所属機関: 1東京女子医科大学脳神経センター脳神経外科

ページ範囲:P.1225 - P.1236

文献購入ページに移動
I.はじめに
 脊髄の電気刺激による除痛術は,1967年Shealyら57)によって,dorsal column stimulation(DCS)による除痛効果が臨床例で報告されたのが始まりである.その後,1970年代初期にいくつかの報告が相次いでなされ6,16,32,39,41,45,58,61),CSは慢性疼痛の治療手段の1つとして注目されるようになった.
 さてこの時期に行われたDCSは,手術的に椎弓切除を行い,刺激電極を脊髄背側の硬膜下腔に挿入して,くも膜や硬膜に縫合固定し,硬膜を通して皮下に埋め込んだ受信器に持続するものであった(Fig.1).しかしこの方法では,手術による重篤な合併症が少なからずみられ,長期間の使用では,刺激閾値の上昇や除痛効果の減弱をきたすなどの問題点があり,一般的な除痛法として確立されるには到らなかった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1251

印刷版ISSN:0301-2603

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?