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研究
神経膠芽腫に対する高線量率分割腔内照射の試み
著者: 中田博幸1 神川喜代男1 本崎孝彦1 新垣安男1 原田貢士2 井上俊彦2
所属機関: 1大阪府立成人病センター脳神経外科 2大阪府立成人病センター放射線治療科 3現籍 大阪大学医学部附属病院脳神経外科
ページ範囲:P.1297 - P.1302
文献購入ページに移動脳腫瘍,特に悪性脳腫瘍に対する治療としての放射線治療の占める役割は大きい.現在,照射法としては,Telecobalt,Linac,Betatronによる遠隔照射が一般的である.一方,密封小線源を定位脳手術により腫瘍内に植え込む組織内照射や,手術腔内に線源を挿入する腔内照射は,一部の施設においてのみ行われているにすぎない.その理由として,手技の繁雑さ,術者の被曝,患者管理の問題とともに,線源の確保や特殊な設備を必要とすることなどが原因として考えられる.
ところで密封小線源治療では線源が腫瘍中心部に位置するために,遠隔照射とは比べものにならない大線量を選択的に腫瘍組織に投与することが可能である.そのため正常組織の損傷を少なくし,治療可能比をあげるという利点がある.したがって,悪性脳腫瘍に対する組織内あるいは腔内照射は有力な放射線療法の1つと考えられる.
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