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文献詳細

雑誌文献

Neurological Surgery 脳神経外科11巻12号

1983年12月発行

文献概要

症例

外頸動脈異常走行による舌下神経麻痺の1手術治験例

著者: 高瀬憲作1 上川伸2 神山悠男1

所属機関: 1高松市民病院脳神経外科 2徳島大学脳神経外科

ページ範囲:P.1313 - P.1318

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I.はじめに
 総頸動脈が内頸動脈と外頸動脈に分かれる分岐部には,さまざまな奇形や異型がみられることは,古くからよく知られている6),特に従来非常に稀とされてきた外頸動脈外側位1,3,4,10,11)は,最近それほど稀なものではないということが認められるようになってきた.しかし,この変化は臨床的には従来あまり意義がないと考えられており,これが原因で神経症状を呈したとする報告は極めて稀であり6),それに基因した脳神経麻痺がみられたという報告は見当たらない.一方,頸部頸動脈の拡張を伴う蛇行性変化あるいは屈曲といった病態はかなりの頻度でみられるが,これにより脳神経が障害されたとする報告も極めて稀である8,12).われわれは,外頸動脈外側位,内頸動脈—外頸動脈分岐部高位,さらに内頸動脈の拡張を伴う蛇行性変化が合併することにより生じたと思われる末梢性舌下神経麻痺の1例を経験し,手術により治癒せしめえたので報告する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1251

印刷版ISSN:0301-2603

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