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文献詳細

雑誌文献

Neurological Surgery 脳神経外科11巻2号

1983年02月発行

文献概要

研究

Dexamethasone超大量投与による脳腫瘍のContrast enhancementの消失—CT所見に暗示されるステロイド投与法の検討

著者: 大井静雄12 杉村武嗣2 松本悟2

所属機関: 1国立香川小児病院脳神経外科 2神戸大学脳神経外科

ページ範囲:P.157 - P.163

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I.緒言
 1961年のGalicichらの報告4,5)以来,corticosteroidsは脳浮腫の治療の一環として使用されてきた.しかし同様の臨床症状を呈する症例であっても,その効果は一方では劇的であり,他方では全く反応をみないことをしばしば経験する.このため,このcorticosteroidsの投与法に関して大別して2つの試みがなされてきている.1つはこのcorticosteroidの投与量を極端に増量することであり,もう1つは種々のcorticosteroidsを使用してみることである.後者については本邦ではかなりの報告をみるが,前者についての報告はいまだに少ない.
 われわれは今まで大量投与といわれたdexamethasoneにして0.3-0.5mg/kg/d(成人量24mg/d前後)の投与法を比較的大量投与療法,この数倍の投与を行うものを超大量投与療法として便宜上区別し,脳神経疾患106例における経験を報告した16).このうち,術前de-xamethasoneの超大量投与のみで治療した脳腫瘍の多くが,CT scan上mass effectの軽減とともにcontrastenhancementの減少もしくは消失を呈した.われわれはこの現象に注目し,脳腫瘍のCT所見からそこに暗示されるステロイド投与法の検討を試みた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1251

印刷版ISSN:0301-2603

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