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総説
めまい患者へのアプローチ—脳神経外科の立場からその臨床像を中心に
著者: 植村研一1 野末道彦2
所属機関: 1浜松医科大学脳神経外科学教室 2浜松医科大学耳鼻咽喉科学教室
ページ範囲:P.229 - P.242
文献購入ページに移動めまいは,頭痛同様,臨床各科でよく遭遇する症状であり,病因も良性発作性頭位眩暈やメニエール氏病のように全く良性のものから,脳幹梗塞,小脳出血,脳腫瘍のように誤診を許されない危険なものまであり,正確な鑑別診断のためには神経耳科,神経内科,循環器科など多くの臨床医のチーチワークを要する重要なテーマである.とはいえ,すべてのめまい患者に諸種の神経耳科検査とCT,脳血管造影をやるわけにもいかない.
一般には,末梢性(内耳・前庭神経)のめまいは強い回転感を伴う"vertigo"であり,中枢神経病変に伴うめまいは,vertigoよりは動揺感・失神感であることが多く,何らかの神経症候を伴うと考えられているが,ver-tigoのみを訴える脳腫瘍,脳幹梗塞・出血の患者もいるので,このような安易なアプローチは許されない.
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