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文献詳細

雑誌文献

Neurological Surgery 脳神経外科11巻3号

1983年03月発行

文献概要

総説

めまい患者へのアプローチ—脳神経外科の立場からその臨床像を中心に

著者: 植村研一1 野末道彦2

所属機関: 1浜松医科大学脳神経外科学教室 2浜松医科大学耳鼻咽喉科学教室

ページ範囲:P.229 - P.242

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I.はじめに
 めまいは,頭痛同様,臨床各科でよく遭遇する症状であり,病因も良性発作性頭位眩暈やメニエール氏病のように全く良性のものから,脳幹梗塞,小脳出血,脳腫瘍のように誤診を許されない危険なものまであり,正確な鑑別診断のためには神経耳科,神経内科,循環器科など多くの臨床医のチーチワークを要する重要なテーマである.とはいえ,すべてのめまい患者に諸種の神経耳科検査とCT,脳血管造影をやるわけにもいかない.
 一般には,末梢性(内耳・前庭神経)のめまいは強い回転感を伴う"vertigo"であり,中枢神経病変に伴うめまいは,vertigoよりは動揺感・失神感であることが多く,何らかの神経症候を伴うと考えられているが,ver-tigoのみを訴える脳腫瘍,脳幹梗塞・出血の患者もいるので,このような安易なアプローチは許されない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1251

印刷版ISSN:0301-2603

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