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文献詳細

雑誌文献

Neurological Surgery 脳神経外科11巻3号

1983年03月発行

文献概要

研究

脳圧降下剤の臨床的研究—マニトールおよびグリセロールの投与方法を異にする効果と反跳現象についての比較

著者: 野手洋治1 矢嶋浩三1 中沢省三1

所属機関: 1日本医科大学脳神経外科

ページ範囲:P.259 - P.267

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I.はじめに
 脳神経外科領域において,頭蓋内圧の管理は最も重要な課題の1つである,頭部外傷,脳腫瘍,脳血管障害など種々の疾患の治療中に発生する頭蓋内圧亢進は,脳循環を障害し,脳代謝を低下させるばかりでなく,それが進行した場合には天幕切痕または大後頭孔に脳陥頓をひき起こし,これによる脳幹の圧迫主たは脳血管障害によって死を招くことが多々あるので,頭蓋内圧亢進の治療は即時患者の救命的な意義を有する.それ故,頭蓋内圧亢進症状を有する患者の治療にあたってまず第一に留意すべきことは,できるだけ速やかに頭蓋内圧を適正な値にまで下げるように努力することである.
 一方,頭蓋内圧は経時的に刻々と変化する特徴を有するので,常にその変化に対応する必要性が生じてくる.それ故,頭蓋内圧を常時正確かつ連続的に測定し,適切な治療を施すことが,頭蓋内圧亢進を有する患者に対する基本的方針である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1251

印刷版ISSN:0301-2603

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