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症例
大動脈炎症候群に合併した破裂脳動脈瘤の1例
著者: 佐藤透1 山本祐司1 浅利正二1 富田祐三2 小倉俊郎3
所属機関: 1松山市民病院脳神経外科 2松山市民病院外科 3松山市民病院内科
ページ範囲:P.305 - P.310
文献購入ページに移動大動脈炎症候群は,大動脈弓および主幹動脈,肺動脈などの後天的非特異性炎症のために生じた血管狭窄・閉塞あるいは拡張に起因する諸症候の総称であり,脈なし病はその大動脈弓型とされている9,11).本症に合併する脳血管病変は主として閉塞性病変であり5),出血性病変,ことに脳動脈瘤についての報告は極めて稀であり,現在までに6例1,2,4,8,10)を数えるにすぎない.
最近われわれは,発症以来20年を経過したと考えられる大動脈炎症候群の長期経過例に,破裂右前大脳動脈瘤および副中大脳動脈を合併した1例を経験した.そこで自験例を呈示し,本症における脳動脈瘤の発生機転につき若干の考察を加えて報告する.
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